新しい鍵

サッカーのジュニアチームでエースの僕は病院に通っている。
どこか悪いわけではない。だけど、名の知れたエースの僕は定期的に精密検査を受ける必要がある。
今日も先生から「また、仕掛けられていたよ」と小さな箱のようなものを見せられた。
これは爆弾だ。選手生命を脅かす体内の爆弾。
これが爆発すると僕はもう二度とサッカーが出来なくなる。
そこでこの先生の出番だ。爆弾処理にも精通してる先生は爆弾を解体、体外へと取り外す事ができる。
今回も爆弾は膝に仕掛けられていたそうだ。
たぶん、この前の試合で飛んできたボールをトラップした時に、このトラップを仕掛けられたんだな。どおりで取りやすい場所に飛んできたわけだ…エース故の功罪である。
僕は運が良い。そんな爆弾に対し、新たなアプローチで治療してくれる先生と出会えたのだから。
まだ始まったばかりだけど、先生が僕のサッカー人生のキーマンになる事は間違いないだろう。