やりたガール

「わたしもやりたい！！」

今朝も現れた。何でもかんでもやりたがる、やりたガールが。

「たまごわる！！」
「お洋服汚れちゃうよ？」
「やれるもん！！」

すっかり駄々こねモードだ。こうなったら、気の済むまでやらせないと落ち着かない。
私はエプロンを着けさせて、玉子とボウルを用意する。

「コンコンってして、ひびが入ったところに指を入れて、パカって横に開くんだよ」
「うん！！」

コンコン…うまくひびが入ったみたい。
ぐしゃっ！…潰しちゃったみたい。

「…」
「潰しちゃったね」
「つぶれたんだもん」
「潰したんでしょ」
「つぶれたんだもん！わたし何もしてないもん！！」

泣きそうな娘からボウルを取って、お箸で殻を取り除く。

「大丈夫よ。殻を取ってスクランブルエッグにしようね」
「…うん」
「焼いてくれる？見てるから」
「うん！」

その日の朝は、ちょっぴりボロボロのスクランブルエッグ。