セリフの鍵には拘りたい!

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「先生、僕のこの台詞には彼女への想いの強さがよく伝わる鍵をつけてください!」

執筆中の小説に登場する青年が、原稿用紙から私へ訴えてきた。

「君の言う鍵というのはカギカッコのことかい?しかし…カッコというのはこういうものだからなぁ」

顎を摩りながら思案する。

「そんな一般常識で僕の言葉を括らないでください!この熱い想いは、こんな鍵の中に納めておけるものではないのです!」

彼の想いが切実だということは理解できる。私はとりあえず元のカッコを消し、普通のカッコより少し太めに、尚且つ誠実な印象の新しい鍵で彼の台詞を括ってみた。すると、青年はその鍵に痛く感動したようで目を輝かせながら礼を言ってきた。よかった、これで続きを書く事ができそうだ。
私が青年の想い人である少女の台詞を記すと、原稿用紙からまた声がした。

「先生、私のこの台詞はもっと小鳥のように愛らしい鍵をつけてくださいな♪」
その他
公開:24/01/22 21:35
更新:24/06/24 23:03
月の音色 新しい鍵 自分の言葉にはどんな カギカッコが欲しい?

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

読んでくれてありがとう!

寒い季節になったから、気が向いた時にふらりと立ち寄ってゆるーく投稿しています。

少し早いですが、よいお年を!

 

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