新しい鍵

新年を迎えると私は毎年必ず、開運の鍵を購入する。
今年こそこれで幸運を手に入れるぞ！と、意気込む。
だが毎年購入した開運の鍵に合う鍵穴を見つけられないでいる。
三日坊主の私は開運の扉探しにすぐ飽きてしまい、幸運の鍵を人に譲っている。
するとどうだ。私から開運の鍵を譲られた相手は次々と幸運を手にしているではないか。
出世、結婚、病気の完治、宝くじの高額当選…挙げればキリがない。羨ましい限りだ。
何故、開運の鍵を購入した私が幸せを掴めないんだ？その苛立ちから、買うのを止めようと思った事は何度もある。
だけど、「貴方のおかげで幸せになれました！」と笑顔でお礼の言葉を告げられると嫌な気はしないし、この人が幸せになれたのなら…と納得もしてしまう。僻んだところで幸せは手に入らないからね。
さて…今年もお正月太りを解消する運動ついでに開運の扉探し。
それと並行して、幸運のおすそ分けに出かけるとしますか。