悪魔とサウナ

　「おいおい、お出かけなんかしないで家でごろごろしてたほうがいいんじゃねえか？」

一点を見つめもくもくと歩き続ける。

「俺にはわかるぜ、ほんとはyoutubeでもみて昼寝してえんだろ」

より一層早足になる。この悪魔を退治するために。

古い木でできたドアを開ける。中にはおじさん一人と
大学生らしき若者が二人。

ふぅと腰を落とす。

「な、なんだここ、アチい、息が苦しいぞ」

耐えろ、耐えるんだ、あの針が10周するまで。

「お前、死ぬ気か！早く出ろ！」

時間だ。一目散に外に出る。
「やっと出やがった。もうお家に帰んな！」

汗をながし、透き通った水の中に飛び込んだ。

「なんだこれ！冷たい、あ、ああ、はやくでろおお」

悪魔はきゅううと金切り声をあげ、しぼんでいき、とうとう姿を消した。

こうして私は整った。

今日の夜は快眠だろう。