トリッキー
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空間移動アイテムの金字塔、某秘密道具の姉妹品として開発された『どこでもキー』
鍵穴のあるドアなら、どれを開けても好きな場所へ移動できる。従来のドア型の課題だった携帯の不便を解消、一時は生産ラインがパンクする爆発的ヒットとなった。
一時は……。
そう、問題は開けるドアにある。乱発する空間移動により、出入時の衝突事故や空間の歪み、犯罪目的の使用が頻発した為、鍵穴のないドアが主流となり、利便性が著しく落ちたのだ。
『どこでもキー』製造メーカーは、カードキーやキーレスキーを開発し対抗。ドアメーカーが応戦。鍵とドアを巡る攻防は、最終的には空間移動禁止法の成立と共に、文字通り扉を閉ざされた。
――と話を締め、鍵でなく首をひねる。
新作のSF小説の粗筋だが、どうもキーアイディアが面白味に欠ける。一旦外の空気を吸って、キーを、もとい気を引き締めるか。
新発売の『どこでも部屋』を閉め、異空間を脱出した。
鍵穴のあるドアなら、どれを開けても好きな場所へ移動できる。従来のドア型の課題だった携帯の不便を解消、一時は生産ラインがパンクする爆発的ヒットとなった。
一時は……。
そう、問題は開けるドアにある。乱発する空間移動により、出入時の衝突事故や空間の歪み、犯罪目的の使用が頻発した為、鍵穴のないドアが主流となり、利便性が著しく落ちたのだ。
『どこでもキー』製造メーカーは、カードキーやキーレスキーを開発し対抗。ドアメーカーが応戦。鍵とドアを巡る攻防は、最終的には空間移動禁止法の成立と共に、文字通り扉を閉ざされた。
――と話を締め、鍵でなく首をひねる。
新作のSF小説の粗筋だが、どうもキーアイディアが面白味に欠ける。一旦外の空気を吸って、キーを、もとい気を引き締めるか。
新発売の『どこでも部屋』を閉め、異空間を脱出した。
SF
公開:24/01/22 17:04
月の音色
月の文学館
テーマ:新しい鍵
※過去作リライト版
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
https://amzn.to/32W8iRO
ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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