自慢喫茶

とあるお店の空間に集まった男女数人が輪になって椅子に腰かけていた。店主が促す。
「では順番に、どうぞ。」

「また孫ができた。これで７人目。」

「営業成績でようやく上位に入れた。」

店主も皆も穏やかな笑みを浮かべて拍手を送った。「さて、次の方。」
促された中年の男はふぅ、と息を吐いた。

「先日、会社が倒産しかけた時に、忘れていた古い友人に救ってもらいました…」

男はゆっくりと語り出した。

「もぉだめだ、と本当に全てを諦めていた時に彼が現れて……どうして助けてくれたんだと聞いたら、」

『昔、僕が試験会場で鉛筆を忘れたときに貴方が貸してくれた。おかげで今の僕がある。ありがとう。』

男の目からはらはらと涙が溢れた。しばらくあたたかい拍手が鳴り止まなかった。

ほっこり和んでほろりと泣ける、此処は「自慢喫茶」