再利用の迷子

一匹の迷える子羊が私の夢に現われた。
「メェ…メェ…」と不安そうに広い夢牧場の隅でクルクル回っている。私は子羊に近づき、ふわふわの頭を優しく撫でながら「どうしたの？」と尋ねてみる。すると、子羊は潤んだ目でじっと私を見つめてから喋り出した。

「眠れない時、人間は僕たちのことを数えるでしょう？あの時に自分が登場する順番って毎晩ちゃんと決まっているの。でも…僕いつも出番を間違えちゃうんだ。出番が最初の方なら大丈夫だけど、後ろの方だと待っている間に緊張しちゃうの…僕、羊失格だって…」

なんとかしてあげたいなぁ。
そう考え再びクルクル回り出した迷える子羊をみていたら閃いた。

「ねぇねぇ、子羊さん。これからは一匹で私の所へ遊びにおいで。」

これならこの子は順番待ちをしなくていいし、何よりクルクルモコモコ回っている姿は…羊の数を数えるよりもずっと…眠気を誘う、だって…今、こんなに…ねむい…も…ん