晩御飯戦争
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日が暮れ、母の「ご飯よ〜」という声が響く。
それが、戦いの合図だった。
工事作業員の父。
小さい頃から野球をしている弟。
大学で女子フットボールをやっている私。
そう。
何も起こらないはずが無い。
食事は戦。穏やかに終わるはずが無い。
「いただきます」
その瞬間、箸が我先にと母の手料理を襲う。
どれを食べようかなんて選んでいる瞬間には、皿が空になって行く。
迷っている暇なんて無かった。
ふと私と、父と、弟の箸がピタリと止まる。私達の狙いは、母が特売で買ったサイコロステーキ。
「ここは年長者を敬うべきでは?」
「レディーファーストってご存知?」
「最年少に譲るとこでしょ?」
一つのサイコロステーキを巡って醜い言い争いが続く。
「これでも足りないのねぇ…」
溜息をついた母が、私達が争っている間にサイコロステーキを自分の口に放り込んでいた。
それが、戦いの合図だった。
工事作業員の父。
小さい頃から野球をしている弟。
大学で女子フットボールをやっている私。
そう。
何も起こらないはずが無い。
食事は戦。穏やかに終わるはずが無い。
「いただきます」
その瞬間、箸が我先にと母の手料理を襲う。
どれを食べようかなんて選んでいる瞬間には、皿が空になって行く。
迷っている暇なんて無かった。
ふと私と、父と、弟の箸がピタリと止まる。私達の狙いは、母が特売で買ったサイコロステーキ。
「ここは年長者を敬うべきでは?」
「レディーファーストってご存知?」
「最年少に譲るとこでしょ?」
一つのサイコロステーキを巡って醜い言い争いが続く。
「これでも足りないのねぇ…」
溜息をついた母が、私達が争っている間にサイコロステーキを自分の口に放り込んでいた。
その他
公開:24/01/12 07:46
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