林を守ろう

一人の年寄りが、落ち葉を掃除しています。
若い頃、この林を見つけるや気に入り、側に住む事にしたのです。
その頃若かった林の木々も、今では大木に育ち、林には鳥達が巣を作る様になりました。
青年は毎朝落ち葉を掃除するのが楽しみでしたが、長い年月と共に体が思う様に軽快には動きません。
或る朝、掃除を始めると栗鼠達が尻尾で落ち葉を一生懸命に集めていました。
その隣では鳥達が落ち葉の山を作っていました。
或る風の強く吹いた夜が明け、年寄りが家の外を見ると、何と落ち葉を集めた大山があります。山の上にはメモが付いた箒が置かれています。
いつも葉を散らかすばかりで御免なさい。この箒を使えば、自然に渦巻きが起こり落ち葉が集まります。と書かれていました。
早速一履きすると、辺り一面に散らかっていた落ち葉が魔法を使った様に、皆集まって来たのです。
今日も年寄りは届いた箒を手に、楽しそうに落ち葉を掃除しています。