子供フィルター、大人フィルター

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家の前の道。
ただの道が、子供の頃は輝いて見えていた。
最寄りのスーパーまでの道のりも、1つ曲がり角を変えれば異世界に飛び込んでしまいそうな、不思議な感覚。
それが楽しくて楽しくて、「もしかしたら本当に…」と思って、日が暮れるまで家の周りをくるくる回っていた。
子供の頃の僕にとって、ただの道は不思議がいっぱいの特別な道だった。



あの日と変わらない家の前の道。
ただの道が、大人になった今はくすんで見えている。
会社までの道のりがやけに遠い。何も変わっていないのに、1歩進む度に足がどんどん重くなっていく感覚。
そうなってくると、周りの景色もどんどん暗く重くなっていく気がする。
大人になった僕にとって、ただの道はただ苦しいだけの道へと変わっていた。
その他
公開:24/01/05 07:48

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