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部屋の扉に手を掛けた男は、誰かの視線を感じた。
この部屋に住む青年が音信不通となり一週間。案じた両親からの依頼で訪れた。両親は車で待機している。
万が一の事があれば即座に連絡を入れる約束だ。
鼻孔に意識を集中させ踏み入る。異臭は感じない。部屋は散らかっていたが争った形跡ではなさそうだ。
ふと赤い玉が視界に飛び込む。手に取るとそれは、けん玉だった。青年の年齢を考えると違和感を覚えた。
机にあるメモを手に取る。『鬼の色は?』と書かれていた。
ベッドの上に無造作に置かれた小説を手に取ると、白いワンピースの女性の写真が栞代わりに使われていた。
重たい空気を入れ替えるために窓を開けた。ベランダを見て絶句する。
一面に、大量の将棋の駒が散乱しているではないか。
「これはひどい…」男は携帯を手にとった。
「息子さんの部屋、酷いタコ足伏線です」
関西創作保安協会の男は、絡まる伏線を回収して帰っていった。
この部屋に住む青年が音信不通となり一週間。案じた両親からの依頼で訪れた。両親は車で待機している。
万が一の事があれば即座に連絡を入れる約束だ。
鼻孔に意識を集中させ踏み入る。異臭は感じない。部屋は散らかっていたが争った形跡ではなさそうだ。
ふと赤い玉が視界に飛び込む。手に取るとそれは、けん玉だった。青年の年齢を考えると違和感を覚えた。
机にあるメモを手に取る。『鬼の色は?』と書かれていた。
ベッドの上に無造作に置かれた小説を手に取ると、白いワンピースの女性の写真が栞代わりに使われていた。
重たい空気を入れ替えるために窓を開けた。ベランダを見て絶句する。
一面に、大量の将棋の駒が散乱しているではないか。
「これはひどい…」男は携帯を手にとった。
「息子さんの部屋、酷いタコ足伏線です」
関西創作保安協会の男は、絡まる伏線を回収して帰っていった。
SF
公開:24/01/03 06:54
まずは自分が楽しむこと。
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