トリック・オア・ダイ
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呼び鈴が押された。
わしが仕方なく玄関のドアを開けると、幼稚園ぐらいの子どもが、死神のコスチュームを着て二人並んで立っていた。
二人は、かわいらしい声で、叫ぶ。
「トリック・オア・ダイ」
二人は手にしている大鎌をゆらゆらと揺らした。そうか、今日はクリスマスか。けど、それにしては掛け声が違う。わしは優しく諭す。
「トリック・オア・トリート、ではないのかね。それでは”悪戯か死か”になってしまうよ。さあ、もう一回言ってごらん」
二人は声を合わせた。
「トリック・オア・ダイ!」
わしは困惑した。表情をよく見ると、二人はガイコツの化粧をではなく本物のガイコツだ。つまり、本当の二人死神だ。
「トリック・オア・ダイ」
二人の催促に、わしは答えた。
「妻も死んでいまや一人暮らし。だから悪戯は苦手でな」
小さな死神は首を縦に振った。これでいいのだ。いままで安らぎを求め続けていたのだから。
わしが仕方なく玄関のドアを開けると、幼稚園ぐらいの子どもが、死神のコスチュームを着て二人並んで立っていた。
二人は、かわいらしい声で、叫ぶ。
「トリック・オア・ダイ」
二人は手にしている大鎌をゆらゆらと揺らした。そうか、今日はクリスマスか。けど、それにしては掛け声が違う。わしは優しく諭す。
「トリック・オア・トリート、ではないのかね。それでは”悪戯か死か”になってしまうよ。さあ、もう一回言ってごらん」
二人は声を合わせた。
「トリック・オア・ダイ!」
わしは困惑した。表情をよく見ると、二人はガイコツの化粧をではなく本物のガイコツだ。つまり、本当の二人死神だ。
「トリック・オア・ダイ」
二人の催促に、わしは答えた。
「妻も死んでいまや一人暮らし。だから悪戯は苦手でな」
小さな死神は首を縦に振った。これでいいのだ。いままで安らぎを求め続けていたのだから。
その他
公開:24/01/02 21:55
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