ゾンビ誘導員

私はゾンビの誘導員をやっている。
町中でゾンビを発見した場合、速やかに己の身を囮にして、ゾンビをとある場所へと連れて行くのだ。
むろん、危険度の高い仕事ではある。
ゾンビと一口に言っても、歩くゾンビから走るゾンビまで。ゾンビも千差万別である。
ただそんなゾンビにも、唯一共通している弱点があり、そこを突く事で地上をさまようゾンビの数は激減した。
私は今日もゾンビを渋谷駅へと誘い込む。
渋谷駅は魔窟だ。一度迷い込めば、人間ですら地上に出る事は困難とされる。
そんな場所にゾンビを連れ込むとどうなるか？
あ～う～あ～う～。右往左往。
出口の分からぬ地下を延々とさまよい歩く事間違いなし。
だから私は今日もゾンビを渋谷駅へと誘導する。
人々の生活を守る為、ゾンビをダンジョン駅へと封印する。
この方法は実に有効的で、来月には大阪の梅田駅でも運用が開始されるようだ。