ブルーマンデーが咲く

小さな双葉がぴょこんと生えた植木鉢を抱きしめ「はぁ…」とため息をつく。窓の外に広がる夕空は、深い青と鮮やかな橙のグラデーションが苦しくなる程に美しい。日曜日がもうすぐ終わる。明日から一週間が始まる。これはブルーマンデー症候群というやつだろう。ある日、花屋に勤める友人にこの事を話したら「ブルーマンデー」という花の種をくれた。育て方が少し変わっていて、ブルーマンデー用の土に種を蒔き、毎週日曜日に夕日を見ながらため息を吐きかけるだけ。こうすることで涙が滲むように土が湿り、やがては種が芽吹いて大きくなっていく。最初の頃は憂鬱だけをため息と一緒に鉢へ吐き出していたが、ブルーマンデーの成長とともにそれ以外の何か清々しい感情も私の中で育っていった。

約1年後の日曜日。
いつものようにブルーマンデーへため息をつくと蕾がゆっくりと開き、艶やかな青色の花が上品で爽やかな香りとともに私の部屋で微笑んだ。