言葉の圧力

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「俺はあの店あんま好きじゃなかったな〜。水がセルフなのもめんどいし」

何の意図もない、単純な好みの話だった。
しかし、やがてそれは一人歩きを始める。

「あの店美味くないらしい」
「水も出さないって聞いたぞ」

「あの店、まずい上に店員も態度悪いらしいよ」
「え〜最悪!」

言葉の一人歩きはやがて勝手な正義感を生み出し暴れさせた。

『最悪の店!やめちまえ!!』

『よくのうのうと店出してられるな!』

鳴り止まない電話と怒鳴り声。
ミシミシ、ミシミシと心無い言葉が降り積もり。

プチッ

そして、簡単に潰れてしまう。





「あれ?この店やめちゃったの?ここの日替わり定食好きだったのに」
「ねー安くて美味しかったのに…」
その他
公開:23/12/28 07:35

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