日記

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幌馬車に乗って遠くへと出かける。先の読めない展開に少し心が浮つく。

街を離れて、辺り一帯は草原だけが広がる場所。そこにポツンと、風車を携えた一軒家に着くと、私はカビで黒ずんだノートをおもむろに開いた。

家のドアをこじ開けると、ボロボロの見たこともない物体が、埃と黒いカバーに覆われて静かに佇んでいる。

「お姉さんを助けてほしい」

日記にはそう書いてあった。運転のやり方も載ってはいるが、文字が滲んで読みづらい。

とりあえず運転席に乗って操縦桿に触れてみると、白黒のフォードから少しずつ未来の形へと変わっていく。

周りの景色も草原から焼け野原へと変化し、次第にビルが建って摩天楼へと成長していった。

舞台は整った。助けなければ。

アクセルを踏み出すと、車の中央に大きな地図が現れた。まずはそこに行けというのだ。

家から持ってきたビスケッツと御守りを手に、日の昇る目的地へと向かう。
ファンタジー
公開:23/12/26 14:21

かずま( 関東地域 )

2023/10/19に参戦した新参者です。忌憚のないコメントお待ちしております。

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