おみくティッシュ

「あけおめ」

　お隣さんからティッシュ箱を渡された。聞けばこのティッシュは幸せを運んでくれるとか……

「母さんの居ない間にお金持ちになろう」　
「父さん信じるの？それ」
「A怖いの〜？」
「じゃあ姉貴からやれよ」

　流石は長女なのか、伸ばす手に迷いがない。

「25？」

　さっそく鼻をかむ。と、ティッシュから大量のお金が落ちてきた。

「スゲー！次俺！俺やる！」

　41、出てきたのは分厚い本だ。

「神様は良く見てるな」

　俺も引く、"790"で黒電話がテーブルに落ちる。ふとアラームが鳴るiPhoneに目をやった時、この番号の意味が分かり背筋が凍りつく。

「受話器を取っちゃ駄目だ」

　だが、既に息子が取っていた。

　地を這う女性の声に空気が変わる。

《もしもし、私ーー》

　25はカ行とナ行で金が出た。41、タ行とア行、知恵という事で本。790……つまり