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慌しい年末。
枯草をクッションにして仰向けで土手に寝そべる。遮るもののないここからの空は、雲も心なしかゆっくりと歩いていく。薄くまだらに伸びる雲はステンドグラスのように向こう側の空を点々と煌めかせ、悠然と流れる大きな雲はまだ見ぬ神秘の冒険島。
しばらく空を眺めていると、一つの雲がゆるゆると形を変え始めた。神社の鳥居みたいだ。私はなんとなく、雲の鳥居に向かってパンパンと手を合わせ「今年もありがとうございました。」と心の中でお礼を伝えてみた。すると、遠くに浮かんでいた白雲の鳥居がみるみる空から近づいてきて土手に降り立った。驚きつつも鳥居をくぐってみると奥には雲の神社があって、凛とした烏の巫女さんが竹帚で境内を掃いていた。せっかくなので、お参りをしてから再び鳥居をくぐって外へ出る。すると、夢でも見ていたのだろうかと思う程にいつもの土手が広がっていたが、心は雲のようにふわふわと軽くなっていた。
ファンタジー
公開:23/12/31 14:30
更新:24/01/07 23:12
雲のように穏やかな よいお年を~ こんな感じの雲をみた

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

読んでくれてありがとう!

寒い季節になったから、気が向いた時にふらりと立ち寄ってゆるーく投稿しています。

 

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