幕を下ろせ

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ガヤガヤと十数人の男女が控え室で喋っている。甲高い声の男がリーダーらしい。次々と衣装を渡して着付けるように言う。俺も渡されたピンクの布を着てみるとダボっとした上っ張りで幼稚園児みたいな気分。リーダーの男は君たちは妖精になって舞台に出るんだと言ってドアを開けるとそこはいきなり舞台で、観客席は満員。俺たちは舞台で口々に好きなことを喋る。それが台詞らしく観客はじっと聞いている。と、観客席から大型犬数頭が吠えながら舞台に走ってきた。警官が何人も上がってくる。みんな舞台を降りろと警官が叫ぶが、俺たちは抵抗して踊ったりする。警官が棒を振り回す。一人の警官が女の妖精の服を掴んでビリビリと裂くとキャーと悲鳴。観客たちは喜んで見ている。俺が警官に抗議すると何と知らないフランス語で喋っている。警官たちはロシア語で相談して、棒を振り上げると幕がばさりと下りて舞台は真っ暗に、警官も犬の声もしない沈黙の闇になった。
その他
公開:23/12/30 15:08

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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