おにぎり
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「えー、またおにぎり?」
「何よ、文句あるの?」
貧乏だった子供の頃、休みの日のお昼は決まっておにぎりだった。
塩むすびに海苔を巻いただけの、良くあるやつ。
「せめて何か具入れてよ」
「贅沢言わない」
「ちぇ」
味噌汁とおにぎりだけのお昼ご飯。
正直、もうおにぎりなんて見たくないと思ってた。
「…頂きます」
味噌汁を啜り、おにぎりを齧る。あの頃と違って、ちゃんと中に具の入ったおにぎり。うん、悪くない。
でも、何かが違う気がした。
「…あんなに嫌だったのに、また食べたいな」
手に持ったおにぎりが、やけに塩辛く感じた。
今日は、母の一周忌だった。
「何よ、文句あるの?」
貧乏だった子供の頃、休みの日のお昼は決まっておにぎりだった。
塩むすびに海苔を巻いただけの、良くあるやつ。
「せめて何か具入れてよ」
「贅沢言わない」
「ちぇ」
味噌汁とおにぎりだけのお昼ご飯。
正直、もうおにぎりなんて見たくないと思ってた。
「…頂きます」
味噌汁を啜り、おにぎりを齧る。あの頃と違って、ちゃんと中に具の入ったおにぎり。うん、悪くない。
でも、何かが違う気がした。
「…あんなに嫌だったのに、また食べたいな」
手に持ったおにぎりが、やけに塩辛く感じた。
今日は、母の一周忌だった。
その他
公開:23/12/23 10:42
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