素敵なすき間

旅行の準備をしていると愛猫が旅行鞄の空きスペースにすっぽりと収まった。
「そこはお土産を入れる為に空けているんだ。お前を入れる為じゃないぞ」
愛猫を抱き上げ、旅行用ペットキャリーケースへと入れてやる。
今回の旅行、何故か愛猫が行きたそうにしていた。だから連れて行く事にした。
旅行地へと降り立つ私。すると一匹の白猫が駆け寄って来た。
白猫はまるでついて来いと言わんばかりに私を導く。ついていけと言わんばかりに愛猫が鳴く。
白猫の歩く道は観光ルートから少し離れるも地元の人に愛される店が多かった。
「ガイドブックに載っている店より、ウチの方が美味しいよ」
地元の人に誘われて入った定食屋。本当に美味しかった。
猫は旅上手で美味しいものを知っている。
猫を連れてきて、猫についてきて正解だった。

ホテルに着いた私は旅行鞄を開ける。
空きスペースには猫のものと思われる土産物がいつの間にか詰められていた。