私の同居人

私には同居人がいる。それは、祖母から貰った日本人形。
父も母も、妹や弟も、気味が悪いから捨てろと言う。
ある日の夜、息苦しくて目を覚ますと身体が動かせなかった。胸の辺りに、あの日本人形がいる。

「ぅ…な、に…？」
…ぷ、りん…
「プリン…？」
えき、ま、え…ふゆ、げん、てい、なまくりー…む…
「ああ、今日帰ってきた時に観てたヤツか…ていうか、私がいない間にテレビ観るのは良いけど、ちゃんと消しといてね…プリンは私も食べたい…買ってくる…」

そう言うと、日本人形は消えて金縛りが解けた。

またある日、気付くと昨日まで肩までの長さのおかっぱだった髪がぶわりと伸びていた。

「そろそろ切る？」

ガタガタ、と日本人形が揺れる。これはノーの揺れ方だ。ということはヘアアレンジか。

「今度はどんな髪型が良いのかな」

父も母も、妹や弟も、気味が悪いから捨てろと言うけど。
私の大事な友人なのだ。