素敵なすき間

今、舞台の上で双子が漫才を披露している。
双子だからコンビと思われがちなこの漫才師、実はトリオである。
もう一人はどこだ？と、首を傾げる人も少なくはない。
双子の漫才を見ていると、もう一人は徐々に見えてくる。
双子の間に丁度人一人分の隙間が空いているだろう？そこに三人めが立っている。
最後の一人は透明人間？いやいや。そんなわけない。
では何かというと、双子の間には双子が生み出したイマジナリーフレンドが立っているんだ。
だから二人にははっきりとその姿が見えているだろう。残念ながら、双子でない私達はそのイマジナリーフレンドの姿をはっきりと捉える事はできない。でも、よ～く見ていると見えてくる。
それは一流の武芸者が殺陣を披露する時、そこにいる筈のない敵が見えてくるのと同じである。
双子の漫才は二人では成立しない。そこにいるであろう三人目の存在が漫才に一番大事な独特の間を作り出してる。