サンタさんからクビを言い渡された僕（トナカイ）の話

クリスマスを目前に控えたある日、サンタさんから突然クビを言い渡された。
何故？僕の勤務態度は何の問題もない。サンタさんとの関係も良好だし、クビを言い渡される理由が思いつかない。
「理由だと？お前さん、結婚を誓った彼女トナカイが今日、海外に行くそうじゃないか。何で一緒に行かないんだ？何で傍にいてやらないんだ？」
『それは…この仕事、僕が抜けたら大変でしょう？サンタさんだって困るでしょう？』
「儂と仕事を言い訳に使うな！いいか！お前の代わりのトナカイなんていくらでもいる！お前みたいな悪い子はとっとと彼女のところに行っちまえ！」
『…後悔しますよ？不当解雇されたって、賠償金請求しますよ！』
サンタさんは僕に札束を寄こしてきた。
「…もってけ。ご祝儀だ。あと、向こうのサンタに話は通してある。じゃあな。元気でな」
『…サンタさん、今までお世話になりました！』
僕は走り出す。彼女の待つ空港へと向けてー