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 この世は今、ビッグ2と呼ばれる二匹の犬で派閥争いが起こっていた。

 盛り上がりは悪い方向へ行き、各国の政府はビッグ2の排除を決定、日常的にどこでも見かけていた二匹は、やがて姿を消したのだった……がしかし!
 
 遂に情報屋から、ビッグ2が食べれる店の情報を手に入れた。


「いらっしゃいませ」

 着いたのは、そよ風のように聞こえてくるジャズとコーヒーの香りが空間を満たす静かな喫茶店だ。

「ご注文は?」
「犬」

 その時、ツンッと横に伸びるマスターの髭が動き、「どっち派だ?」と落ち着いた声は低く野太い声へと変わった。

「アメリカしか勝たん」

 銃口を額に押し付けられ「熱い犬は嫌いかい?お嬢ちゃん」そう殺気めいた視線を向けられる。

「私がホットドッグを食べる女に見える?」

 その答えに、ニコリと微笑み「アメリカンドッグですね、かしこまりました」なんてキッチンへと姿を消した。
その他
公開:23/12/09 23:15
更新:23/12/16 23:46

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