残された古文書

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蔵を整理していると、大きな長持の中から黒塗りの書箱が出てきた。
古文書らしき物が入っていたが、どれも達筆なくずし字書きで、そのうえ和紙も所々が虫食い状態となっており判読はかなり難かしい。
古事記にも劣らない、古来の史実が書かれ何らかの発見に繋がれば凄い事になるかな。
先ず解読をしなければ、どこか大学の偉い先生に頼んで読んで貰うか、有名な骨董屋に持ち込むか、あるいはテレビ鑑定団に応募するしかない。
でも結果戯れ本の類であれば、仰々しく持ち込むだけでこちらがお笑い物だ。
調べてみると、手書きの古文書類資料をスマホで撮影し、簡単操作で即読できる大手印刷会社の優れものAIが有ることが分かった。

早速そのソフトに掛けてみると、「子孫よご苦労、お前はアホか? この世の中にその様なおいしい話があると思うな!」と書かれた教訓だが、有名な書家が書いたものと判明し、高値で売れて私にはおいしい話となった。
ファンタジー
公開:23/12/08 00:45

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