スキップする隙間

カラーボックスと本棚の間に微妙な隙間ができた。
私の予想ではピッタリくっつくはずだったのに、大雑把な性格が災いしたようだ。今日は疲れたし、明日にでも配置を変えよう。そう考えて眠りについた。
翌日。目覚めると隙間が消えていた。どういうことだろう？なんにせよラッキ～と喜ぶ私の目の前を、見覚えのある隙間がスキップして横切った。
それからというもの、私がどこへ行くにも、隙間はスキップしながらついてきた。最初は勿論困惑したが、ピョンピョンと跳ね回る隙間はどこか愛らしく、しかも、とても頼りになることもわかった。例えば満員電車では、乗客の間をじゃれながら動き回る隙間のおかげで車内に少しゆとりができ、乗客の心にまで余裕をもたらした。この間のファインプレーも聞いてほしい。最近、私と彼との間にあった微妙な心の隙間を、スキップする隙間が外へ連れ出してくれたおかげで、お互いの気持ちを再確認することができたのだ。