生徒
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雪の降る中、グラウンドに一人立つ教師が見つめていたのは、とある生徒の死体だった。
それは、決して殺したわけではない。私は何も触れていない。勝手に死んだのだ。
「部活を辞めさせてください」
その言葉を聞いたとき、私は、私の指導が否定されていると思った。10年以上顧問を続けて、こんなに早く辞めたいと志願する生徒はいなかった。
私は理由を尋ねた。
「おじいちゃんを介護しなきゃいけなくなったからです。母さんは仕事が忙しくて世話できないんです。だから自分でやらないといけなくて」
「そんなのは甘えだよ。それくらいやろうと思えばできる。お前の野球への熱意はそれだけなのか?」
彼は口をつぐんだ。
その夕方のことである。落書きだらけの机がひっくり返されていた。きっと窓から身を乗り出すと同時に倒れたのだろう。
そこには、教師の言葉が罵倒の文字と共に刻まれていた。
それは、決して殺したわけではない。私は何も触れていない。勝手に死んだのだ。
「部活を辞めさせてください」
その言葉を聞いたとき、私は、私の指導が否定されていると思った。10年以上顧問を続けて、こんなに早く辞めたいと志願する生徒はいなかった。
私は理由を尋ねた。
「おじいちゃんを介護しなきゃいけなくなったからです。母さんは仕事が忙しくて世話できないんです。だから自分でやらないといけなくて」
「そんなのは甘えだよ。それくらいやろうと思えばできる。お前の野球への熱意はそれだけなのか?」
彼は口をつぐんだ。
その夕方のことである。落書きだらけの机がひっくり返されていた。きっと窓から身を乗り出すと同時に倒れたのだろう。
そこには、教師の言葉が罵倒の文字と共に刻まれていた。
その他
公開:23/12/07 02:04
更新:24/05/03 19:23
更新:24/05/03 19:23
2023/10/19に参戦した新参者です。忌憚のないコメントお待ちしております。
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