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「春の訪れだね」
 涼華が言った。
「そうさ、もうじきだよ」
 そう羽矢人が言うと、花畑公園の花の花びらが回り始めた。
 扇風機のように回るその花びらから吹く春一番……最初に突風が吹き流れると、あとはそよ風が続いた。
「人工の回転花も地球温暖化を防ぐのに役立つのね」
 涼華が言うと、羽矢人も答えた。
「もっともっと地球に人工回転花を増やさないとな」
「そうだね」
 国連の指示で、猛暑続きで砂漠化した国には、人工回転花が植えられていった。人工回転花は、太陽電池で回るのである。
「これで夏も涼しいね」
「そうだな」
 そして2人を通り抜ける風が、花の香りとともに、とても心地良かった…… 
SF
公開:23/12/06 20:03
更新:23/12/06 20:18

福良ビブラ〜ト( 北海道 )

 ペンネームの由来は、私自体ビブラートをかけて歌えるという特技があります。
 もう一つの特技のショートショートはお粗末ながらほんわかな物からブラックな物も書いちゃいます。
 そして継続は力なりです。
 よろしくお願いいたします

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