バーバー キャット

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引っ越した先で散髪をしようと検索をすると、近所に一軒見つかった。
『バーバー キャット』

店にはいると、年配の男性と黒い猫が一匹。
「いらっしゃい、ここどうぞ」

無駄のない動きで、綺麗に整えていく。床はあっという間に髪の毛にいっぱいになった。

「一人で切り盛りするの大変ですね」
「そうでもないですよ、いずれは他店舗展開していこうと思ってましてね」
みかけによらず、商売人としての顔をのぞかせてきた。
「はい、これで終了ね」

男性がそういうと、カウンターで見守っていた猫が寄ってきた。
落ちた髪の毛に体をこすりつけ、見事に自分の毛に吸収した。

「こいつが掃除してくれるんで楽なもんですよ。
でもこいつもふさふさになっちまったな」
そういうと残りの髪の毛をかき集め、床に猫の絵を描く。
その絵はもぞもぞと動き始め、真っ黒い猫が立ち上がった!

「お客さん、こいつと一緒に2号店どうですかい?」
ファンタジー
公開:23/11/30 15:58

空飛びペンギン( 関東 )

ご覧いただきありがとうございます。

俳優業の傍ら、趣味でショートショートを製作しています。
田丸先生の書籍を読んでから、楽しく作っております。
ご意見、ご感想いただけると嬉しいです。


名作文学の朗読Youtubeを行っています。
http://www.youtube.com/@akky_roudoku

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