老人と庭師

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老人は二階の窓から仕事をしている庭師を見ていた。目が会った時、その目は輝いており、何故か彼と話がしたく庭に出た。
何時も良い庭仕事をしてくれて有難う。君が住み込みで庭を管理してくれ気に入っている。
今迄人を褒める事もなく頑固な自分が、素直に人に感謝しているのに気が付いた。
彼はお礼を言いたいのは私です。好きな庭師をしながら、自然に囲まれた敷地内に家まで頂きと、隅に在る小さな家を指さした。

老人は何と小さな家を与えていたのだと知り恥ずかしくなった。その家の屋根で数羽の小鳥達もこちらを観ている。老人は彼の家の中が見たいと頼むと快く応じた。
静まりかえった老人の家に比べ、この家の中はとても暖かく楽しそうだ。
恥ずかしそうに、貴方がお捨てになった物を拾って来ては飾っているのですと。
老人が汚れて嫌になり捨てた物ばかりが、今は生き生きと在るのです。
それを見て幸せな気分になった自分を見つけました。
ファンタジー
公開:23/12/02 14:42
更新:23/12/02 19:15

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