ブラックボックス

男は某通販サイトのブラックフライデーにブラックボックスを注文した。
このブラックボックスは何でも飲み込む物だった。
紙くずはもちろん、プラごみ、生ごみ、大型ごみ、排泄物、あげくの果ては、死体処理まで……実に困らなかった。
「完全犯罪だ！」
男がそう言うと、うるさかった知人の靴が床に転がっていた。
「この靴も入れてしまえ！」
ブラックボックスはゆうゆうと飲み込んだ。
しばらくしてホワイトクリスマスの日、サンタと名乗る者から、ホワイトボックスが届けられた。
贈り主の名前は、パンドラだった。
男は箱を開けると、知人の靴が飛び出した。
「うわっ！」
そして続けて、ありとあらゆる災いが部屋中を飛び回った。
最後に男には、絶望感が残った。