ハーフ＆ハーフ

フランケンシュタインと聞き、多くの人は頭にネジの刺さった大男をイメージする。
あれはフランケンシュタインではない。フランケンシュタインとはあの大男を作り出した博士の名前である。
架空の人物だと思われていたフランケンシュタイン博士。
私は、博士の医療技術のおかげで今も生きている。博士の発明品”フランケンシュタインの糸”のおかげである。
この糸で縫い合わせると、他人の肉体を移植しても拒否反応や違和感を起こさない。
事故に巻き込まれ、体の半分を失った私ではあるが、フランケンシュタインの糸のおかげで失った体の部位を、あの事故で助からなかった他人の肉体と縫い合わせる事で取り戻した。
だがその見た目は不気味極まりない。私の身体は半分が他人のもので出来ているのだから。
私はモンスターではない。人間だ。フランケンシュタインの糸を誰よりも上手く扱える医者である。
貴方の目にはそんな私がどう見えていますか？