素敵なすき間

１２月２６日から１２月３１日までの６日間。私は毎年、夫のサンタ抜きをしている。
これをやらないと夫は年を明けてもサンタ気分が抜けない。子どもの枕元にお年玉を置こうとする。
その上、冬のボーナスという強い味方もあって子どもに何でも買ってあげようとする。これは良くない。非常に良くない。
だから私はクリスマスを終え、お正月が来るまでの間、１年で最も忙しくなる。
ただでさえ年の瀬は忙しいのに、何でこんな事をしなくちゃいけないんだ！と叫びたくなってくる。
夫がサンタなら、私はトナカイだ。いつまで走り続けなくちゃいけないんだ？
その辛さに枕を涙で濡らしてしまう夜もある。
そんな夜が明けたある日のことだ。私の枕元にプレゼントが置かれていた。
「サンタが抜けきる前に良妻賢母のキミにどうしてもプレゼントしたくてさ」
はにかむ夫は付き合っていた時のみたくサンタが隙間から見え隠れする、素敵な表情を浮かべていた。