網で球遊び
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君との時間だけが特別だった。
自分の硬い網に球を当て、横に広がる柔い網に当てず、相手の硬い網にも当てず、地面に2回球を弾ませる時間。
君はいつも、汗に塗れ、酸っぱい匂いを纏い、顔をツンとさせラケットを振っていた。
社会人になって5年、テニスサークルでの繋がりが、ここまで続くとは思わなかった。
今でも、いじけた顔が印象的だ。
今日も僕は、君の隣で話を聞く。
仕事の悩みや愚痴。最近の出来事を報告し合う。
「この前、結婚式に行って来たの。ウェディングドレスって、やっぱり素敵だった。でも、あたしには似合わないだろうな。」
君はいつも、鼻に力を入れて僕を見る。
「そんな事ないだろう。」
楽しくなるとする顔。
決まった日に会って、柚子の香りの君を感じて、柚子の香りの麦酒を感じたら、決まった時間に分かれる。
別れの挨拶は決まってハイタッチ。
今でもダブルスをしている気分だ。
自分の硬い網に球を当て、横に広がる柔い網に当てず、相手の硬い網にも当てず、地面に2回球を弾ませる時間。
君はいつも、汗に塗れ、酸っぱい匂いを纏い、顔をツンとさせラケットを振っていた。
社会人になって5年、テニスサークルでの繋がりが、ここまで続くとは思わなかった。
今でも、いじけた顔が印象的だ。
今日も僕は、君の隣で話を聞く。
仕事の悩みや愚痴。最近の出来事を報告し合う。
「この前、結婚式に行って来たの。ウェディングドレスって、やっぱり素敵だった。でも、あたしには似合わないだろうな。」
君はいつも、鼻に力を入れて僕を見る。
「そんな事ないだろう。」
楽しくなるとする顔。
決まった日に会って、柚子の香りの君を感じて、柚子の香りの麦酒を感じたら、決まった時間に分かれる。
別れの挨拶は決まってハイタッチ。
今でもダブルスをしている気分だ。
公開:23/11/19 22:39
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