ハーフ＆ハーフ

実家から届いた野菜の仕送りに、学生寮でルームシェアしている友人から「お礼の手紙を書こうよ」と提案された。
「電話の方が早く済むのに…」と、ごちれば「野菜だってスーパーで買った方が早いでしょ。こういうのは気持ちが大切なの」と返された。
とはいえ、実家の両親に手紙なんて何を書けばいいのやら…思いつく限りを書いても、手紙の半分は白紙のままだ。
「それじゃ、もう半分は私が書いてあげるね」
白紙を埋めていく友人。意外と筆まめなんだなと初めて知った。
そんな友人を両親はいたく気に入り、お互い就職し、結婚した今でも友人宛に野菜を送っている。
その度に友人もお礼の手紙をくれる。友人の息子君、ウチの野菜が大好きみたい。
そんな友人の息子と私の娘が今日、結婚する。
私が友人に書いた手紙の半分を、娘が書く。
友人も私に書いた手紙の半分を、息子が書く。
私と友人の手紙のやりとりから二人は文通で愛を育んだようだ。