言葉の行方

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「またいつか」と言って君が立ち去ったあの日。
いつもと別れ際の挨拶が違うことに気づいたのは、季節が巡りあの日と同じように吐く息が白くなり始めた頃だった。
「いつか」の後に続く言葉は何だったのだろう。
あの日、彼女は続く言葉を呑み込み、笑顔に変えてしまった。大人びた、女性を感じるようなその表情に僕は見惚れるばかりで、生半可な返事しか返せなかったように思う。
あの日感じた違和感に気づくのがあまりにも遅過ぎた。
自分の鈍感さに幻滅したところで時間は取り戻せない。
過去を後悔している間にも時間は先へ進むし、今この瞬間に感じたことも全て一瞬で過去に転じていく。今を生きるのに精一杯な僕にとって、髪の毛のような微かな希望を掴み取ろうとすることはとても勇気がいる。
だけど、続きの言葉が知りたいから。そして、伝えたい言葉が僕にもあるから。
だから、僕は向かう。新しいあの日を迎えるために。
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公開:23/11/19 23:37

宮川珠実( 京都 )

会社員です。書いてみたいなぁという気持ちをやっとこさ行動に移しました。
想いのままに書き連ねていて読みづらさがあると思いますが、よろしくお願いします。

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