クラフト・ジ・オールド

かつて、世の中にはビールという飲み物が存在したそうだ。文献によると、苦く酸っぱくときに甘く、爽やかな喉越しの発泡があり、疲れが吹き飛んだり、嫌な事を忘れたりできるらしい。
なんて魅力的なんだろうか。
早速レシピを読み解いていく。麦芽、ホップ、酵母に水、好みの果汁とスパイス少々を発酵させ、冷却しジョッキに注ぐ。
プラントは、健康規則によるレシピの一部変更を宣言してから製造を開始する。
程なくして、持手付きのグラスに入った黄金色の炭酸飲料が提供された。
作法に乗っ取り一息に飲み干す。思い描いていた味わいが体中に広がった。これがビールか。
しかし、疲れが吹き飛んだり、嫌な事を忘れたりといった効能は無かった。労働による苦痛が伴わなければならないようだが、コアブレインが管理するこの街に、苦痛を伴う労働は存在しない。
少し残念だが、やはり旧文明の飲食物は面白い。
さて、次は何をクラフトしようか。