自作霊
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クラフトビール祭りで、彼女がまた変なものを見つけて買った。
「自分だけの霊作り……?」
さっそく作ろー! と彼女は張り切って袋を開ける。中から出たのはお札が三枚、黒い粉と白い粉一掴みずつ、『一間半長』と記された白い紙テープ、簡単な取説、それだけだ。
広い場所、自分から見て西、北、南それぞれ一間半の位置(テープで測りましょう、とある)に指定のお札を貼る、東に黒い粉を盛る、中央に白い粉を盛り、その南側に座して取説の呪文を三度、唱える……
俺と彼女が座る目の前に、白いもやのような何かが湧き出してきた。もやは徐々に姿をととのえ、やがて人の形となった。
「やばいよ……」声の震える俺とはうらはらに、彼女は嬌声をあげて手を叩く。「マジ霊じゃん! すごい!」
彼女の声に白い人影はびくり、と肩のあたりを震わせ、また、徐々に霧となり、消えていった。
俺は取説の最後を読む。
「大声厳禁だって」
「自分だけの霊作り……?」
さっそく作ろー! と彼女は張り切って袋を開ける。中から出たのはお札が三枚、黒い粉と白い粉一掴みずつ、『一間半長』と記された白い紙テープ、簡単な取説、それだけだ。
広い場所、自分から見て西、北、南それぞれ一間半の位置(テープで測りましょう、とある)に指定のお札を貼る、東に黒い粉を盛る、中央に白い粉を盛り、その南側に座して取説の呪文を三度、唱える……
俺と彼女が座る目の前に、白いもやのような何かが湧き出してきた。もやは徐々に姿をととのえ、やがて人の形となった。
「やばいよ……」声の震える俺とはうらはらに、彼女は嬌声をあげて手を叩く。「マジ霊じゃん! すごい!」
彼女の声に白い人影はびくり、と肩のあたりを震わせ、また、徐々に霧となり、消えていった。
俺は取説の最後を読む。
「大声厳禁だって」
その他
公開:23/11/18 21:56
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