ハーフ＆ハーフ

「勇者よ。私と手を組まないか？そうすれば、世界の半分をお前にやろう」
魔王の提案に私は悩む。
私が魔王を討ち果たしたとする。その後はどうなる？
魔王によって支配されていた領土を奪い合う王達。その争いに否応なく私は駆り出されるだろう。この力を守るべき人々に振るうだろう。
それならばいっそ魔王に与し、世界の半分を私が支配した方がいいかもしれない。
熟考の末、私は魔王の提案を受け入れた。

「オッケー！それじゃ、世界の取り分だけど、この城と主要国家はぜ～んぶ君にあげるよ」
魔王の提案に耳を疑う。
何だと？それでは世界の半分以上だろう。
「いいや。半分さ。私は僻地の農村でのんびりと余生を過ごさせてもらうよ。あとリゾート地も貰うからね。いや～、魔王ってどこにも旅行行けないし疲れるんだよ。それじゃ、あとよろしくね～」
地図で見れば確かにハーフ＆ハーフ。ただ、魔王を押し付けられた私の負担はかなり大きい。