田舎の祖父の話

大学進学を機に都会へと出てきた私は、生活の変化に驚いている。
都会は夜でも昼みたく明るいから部屋の電気つけなくていいと思っていた。そんな事はなかった。
私が住んでいた田舎では祖父の信仰心が高まると後光が差すので、祖父を上座に座らせ、部屋の電気の代わりにしていた。
田舎だと祖父母や親せきに神様がいるのは当たり前なんだけど、都会ではそうではないらしい。
私はそんな神様の血を引いているものだから、両手をすり合わせると白米を生み出す事ができる。
私は純神ではないので生み出せる米はせいぜい３０分で茶碗１杯分…一人暮らしをするのには問題ない。
祖父なんて手のひらから無限に米を出すものだからこれまでの人生、米に困った事がない。
そんなんだから入学当初、私は田舎者だと陰口を叩かれていた。
それを空の上から見ていた祖父。バカにした者に次々と天罰を与えていく。
ちょっとやめてよお爺ちゃん。それじゃ地獄耳だよ。