言葉のループ

ループ屋で乾杯すると、食物の名前縛りで言葉のループ、いや、しりとりを挑まれたので「しりとり、リンゴ」と切り出すと、
「『ゴマ団子』、へへ、『ご』返しだ」と得意げに言う。
「それは反則でしょ、ごま○○で無限に『ごま』のつく食べ物を返せるから、二重名詞は禁止」と言うと、
「めんどくせえな」とクサるので、
「ならいいよ、後悔するなよ、『ごま豆腐』」とつなぐと、「フグの唐揚げ」と返す。
だから二重名詞は…、と文句をいいかけたが、渋いメニューに敬意を表し、「ゲソバター」と庶民的に返すと、「タコワサ」となかなか息のあった返しをしてくる。「サラミ」「みょうがの酢漬け」「けんちん汁」「るいべ」と続き、つまみの名前のループを肴にループ屋を空にした我々は、お通しに箸しながら追加のループ屋で乾杯し、たこわさとサラミを注文した。
「じゃあビール縛りで言葉のループ再開！」
今夜は深酒になりそうだ。