またくるあした

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「とりあえずビール!」
やかましい店内に負けじと叫ぶ。うなずいた店員は三秒でビールを出してきた。早ぇーな。しかしそんなことは気にしない。ビールうっめー。気が付くと机に餃子が置かれていた。
「これ頼んでないよ!」
店員が無言で指さす方を見やると、キリコが立っていた。
「おっつー。今日も大変だったのん?」
キリコは指で餃子を一つ摘み上げる。
「まずは座れし」
キリコはにやりと笑うと、もう一つ口に運んだ。

空のグラスが机を占拠し始めたので、会計を終えて店を出た。
店の外は、酔っ払いには目の覚めるような風が吹いていた。
ねえ、もう少し飲みたい。私が言うと、いいよーん。学生のときのままの笑顔でキリコが笑った。
「さみしがりやなところは相変わらずだねぇ」
うるせーな。悪態をつく。
「明日もがんばりたいからだよ」
「無理すんなよ。社会人。」
「あんたもでしょ。社会人」
二人で笑いながら、並んで歩いた。
青春
公開:23/11/19 11:01

どんぶり勘定

オリジナル短編を書いています。
同名で、ほかのサイトにも投稿しています。

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