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オレンジがかった甘い飴色、ほんのりと色付いた桜色、艶やかな瞳のような漆黒、さわやかな若草を思い起こさせるグリーン…クラフトビールの魅力は、各醸造所が作り出す個性的な味わいだと言う人も多いけれど、私はその豊かな色合いにあると思う。
ビールバーを営む父の姿を幼い頃から見てきた。
自分にとって、色とりどりのクラフトビールはとても魅力的だった。
どんな香りがするのか顔を近づけようとしたけれど、
「まだまだ、お酒は大人になってからね」
と言われて育ってきた。
大人になってそのおいしさを知ってからも、クラフトビールの色味は私を惹きつけた。
休みのたびに各地の醸造所をめぐり、そして彼と出会った。
「どうぞ」
カウンター越しに父が私たちにグラスを差し出す。
注がれたビールは、祝福の花束のような鮮やかなバラ色だ。
「いただきます」
緊張した声で隣の彼がグラスを持つ。
口に入れたら、幸福の味がした。
ビールバーを営む父の姿を幼い頃から見てきた。
自分にとって、色とりどりのクラフトビールはとても魅力的だった。
どんな香りがするのか顔を近づけようとしたけれど、
「まだまだ、お酒は大人になってからね」
と言われて育ってきた。
大人になってそのおいしさを知ってからも、クラフトビールの色味は私を惹きつけた。
休みのたびに各地の醸造所をめぐり、そして彼と出会った。
「どうぞ」
カウンター越しに父が私たちにグラスを差し出す。
注がれたビールは、祝福の花束のような鮮やかなバラ色だ。
「いただきます」
緊張した声で隣の彼がグラスを持つ。
口に入れたら、幸福の味がした。
青春
公開:23/11/19 11:01
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