お嬢さん、お入んなさい

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私もいつの間にかクラフトビールが似合う大人になった。
小学6年生のとき、すでに身長は165cm。
体育が好きで、縄跳びが好きで、皆で遊ぶのが大好きだった。
大縄跳びでは、いつも"回す人"だった私。
もう一人大きい子がいて、ふたりは暗黙のセットだった。
私はただ跳びたくて、リズムを口元で身体で鼓動で感じながら、縄に飛び込んでいきたかった。
分かってる。理解はしている。
時々、私も跳ぶ側になると、皆の間に独特の緊張感が流れ、回す子がつま先立ちになるのを。
"お嬢さん、お入んなさい"を、ハラハラしながら身体全部で受け止めて、いちに、いちに、さんはい、どうぞ。
ルンルンララン、ルンララン。
私は小刻みに足を動かしながら輪の中に飛び込んでいく。
なんだか、少し昔を思い出しながら飲むクラフトビール最高だな。
この爽快感、少し縄跳びに似ている。言いすぎか。
今はもう、さすがに大縄跳びは無理だろうなぁ。
青春
公開:23/11/17 05:53
更新:23/11/17 15:39

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