女神のビール

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「いらっしゃいませ。いつものでいい?」
「お願いします」
青山悠一の前に注がれたのはクラフトビール。
しかもただのビールではない。
「はい、『夢が叶う魔法のビール』よ」
「ありがとう」

悠一はデザイナーで、パリ進出を望んでいるがアイデアの枯渇に悩んでいた。

しかし、この店の主、清川志保の注ぐビールのおかげでまたインスピレーションが戻って来た。

この店は学生時代からのライバル、浦部が勧めてくれた。

「連れて行ってよ、パリ」志保が悠一の手を握った。

ところが、悠一が海外進出決定の報告に行くと突然店は閉業していた。

「まるで本物の魔法使いみたいだ」
悠一はひどく傷つきながら呟いた。

浦部はこの話を聞き「青山は運がいい」と心の中で毒づいた。

実は志保は浦部も騙された結婚詐欺師だったのだ。

「志保が青山から騙し取った金を俺が脅し取ろうとしたのに。俺に気づいて逃げやがった」
ミステリー・推理
公開:23/11/16 21:50

ラコ( ぼーっとできる公園 )

はじめまして。

散歩が好きで、休日は1日10キロ以上歩いてしまいます。

古書店のオーナーとおしゃべりしたり、フィルムカメラで撮影したり、美味しいお茶を飲んだり。

物語に入ると時空も国境も超えて、もっと色々なところに行けてしまうので、読むだけでなく、書いてみたくなりました。

読んでくださってありがとうございます。

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