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世のビール好きが待ちに待った、年に一度の祭典がやって来た。
『クラフトヌーヴォー、解禁』
小洒落たポスターが貼られた特設コーナーには、今年の新ビールを求める長蛇の列。予約して正解だった。安堵と軽い優越感に酔いながらカウンターへ進む。
「お待たせしました。〇〇ブルワリーです」
麦の初穂の仕込みに合わせ、年に一度だけ醸造される限定品、クラフト・ヌーヴォー。工房一軒に一ロットの出荷で、ビール瓶には店名とシリアルナンバーが刻まれている。人気の工房は競争も激しく、確実に手に入れるなら予約必須だ。
「去年の当たりは✕✕工房でしたね。今年はどこかな」
「飲んでみてのお楽しみです」
ビール自体もプレミアだが、飲み終えた瓶はビールくじの抽選券となる。当選者には工房のフリーパスが与えられ、一年間ビールが飲み放題なのだ。
「一攫千杯。今年こそ当たります様に」
タダ飲みの夢が詰まった瓶に、こうして今年も散財する。
『クラフトヌーヴォー、解禁』
小洒落たポスターが貼られた特設コーナーには、今年の新ビールを求める長蛇の列。予約して正解だった。安堵と軽い優越感に酔いながらカウンターへ進む。
「お待たせしました。〇〇ブルワリーです」
麦の初穂の仕込みに合わせ、年に一度だけ醸造される限定品、クラフト・ヌーヴォー。工房一軒に一ロットの出荷で、ビール瓶には店名とシリアルナンバーが刻まれている。人気の工房は競争も激しく、確実に手に入れるなら予約必須だ。
「去年の当たりは✕✕工房でしたね。今年はどこかな」
「飲んでみてのお楽しみです」
ビール自体もプレミアだが、飲み終えた瓶はビールくじの抽選券となる。当選者には工房のフリーパスが与えられ、一年間ビールが飲み放題なのだ。
「一攫千杯。今年こそ当たります様に」
タダ飲みの夢が詰まった瓶に、こうして今年も散財する。
ミステリー・推理
公開:23/11/16 21:46
更新:23/11/16 21:47
更新:23/11/16 21:47
クラフトビール
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
https://amzn.to/32W8iRO
ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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