ビールの裏側

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一人でビールを飲むとき、ひっそりとやっていることがある。
ビールの泡を裏側から見るのだ。
ビールの黄金色を通してみる泡の裏側は、
まるで丸い宝石が密集しているかのようで、
見ていると吸い込まれそうになる。
そして想像するのだ。
この泡の一粒一粒にホップや酵母の香りがどれぐらい詰まっているのかと。
この泡の一粒一粒がもはや一つの小宇宙の塊ではないのだろうかと。
そうしているとどんどん泡に愛着を持ってしまい、
飲むのが惜しくなってしまう。
その想いを断ち切って私は飲む。
慎重に泡とビールを口の中に入れ、じっくりと味わうのだ。
やっぱり泡あってこそのビールだなと。
その他
公開:23/11/18 15:51

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