パブ・リック・ドメイン

二次醸造のビールが集まるクラフトパブへ来た。
「キレッキレの苦めが良いな。ＩＰＡ×シュバルツ上下リバアリ」
「王道ですね。カップリングは日独米英どれに？」
「ジェネ系の製造年下攻め。何なら第３のビール入れて３Ｐとか」
苦笑いのマスターときわどい会話を交わしつつ、カウンターでレシピを受け取り工房へ。麦芽とホップ、酵母に醸造タンク。自作のビールを気軽に楽しみたい、醸造女子御用達のレンタルブースだ。
「パブリックドメインって便利だね。ジェネリック（後発）ビールは値段もお手頃だし、新作カプもレアブレンドも試し放題」
酒税法と商標法が緩和され、国内外を問わずビールの製法が公開性になった。個人が無許可で造って売れる醸造自由化時代、大手や有名工房顔負けの二次クラフトビールが溢れ、ビアチューバーが脚光を浴びている。
「……個人試飲に限れば、海賊版もＯＫだけどね」
日の目を見ないオリキャラビールを一気した。